特集心臓病について「もしも…」に備えて知っておきたい情報をご紹介します

「もしも…」の時は突然に!知っておきたい心臓病のこと。ある日、目の前の人が突然倒れて周りに自分しかいなかったら…テレビでよく見るシーンですが、これは日常でも起こっている光景。そして、もしもの時は突然訪れます。本特集では「心臓病予防」をテーマに、その危険を回避する情報をご紹介します。コレだけは知っておきたい知識を身につけましょう!

  1. Vol.01 どんな病気なの? 心臓病
  2. Vol.02 予防のために知っておきたいこと
  3. Vol.03 身の回りで起きた時の対処法

Vol.03 身の回りで起きた時の対処法

目の前に、心臓発作を起こしている人がいた場合、あなたはどうしますか? 頭が真っ白になってなにもできなかったら、助かる命も助からなくなってしまいます。あわてず速やかに的確な対処を! もしもの時に備えて、正しい知識をしっかりと学んでおきましょう。(取材・文:高杉智子/粘土制作:のぐお/写真:佐藤隆博)

心臓発作が起こったら、スピードが勝負!

強い胸の痛み、呼吸困難、激しい息切れ…心臓発作の症状を起こしている人を目の前にしたら、迷わずに即行動を。心臓発作から心停止を起こし、死に至る可能性が高い状況にあるからです。心臓発作は心停止のもっとも多い原因ですが、呼吸停止や感電、溺水、窒息、外傷などで起こる場合もあります。
心停止してしまうと、わずか4~6分以内に脳死と臨床的な死(心臓と呼吸の停止)が始まります。心停止後の生存確率は、なにも処置をしない場合、1分経過するごとに7~10%下がっていきます。そして、10分経過した後に蘇生処置を行なっても、ほとんど成功することはありません。
心停止の多くは、心室細動という心臓が不規則なリズムになって、全身に血液を送り出せない状況なので、ただちに心臓マッサージ(胸骨圧迫)を行ない、5分以内に心臓に電気ショックを与える処置を早く行なうほど、救命のチャンスもアップします。

心停止からの蘇生成功率と経過時間

STEP1 ただちに119番!

・心臓発作の警告症状に気づいたり、突然倒れて反応がない場合は、すぐに119番。
・詳しい処置方法は電話に出た救急司令員が丁寧に教えてくれるので、あわてずによく聞いて。
・呼びかけても意識がない場合は、すぐにSTEP2の心肺蘇生法を始める。

※意識がある場合もそのままにしないで! 119番に連絡し、楽な姿勢を取らせて救急車の到着を待ちましょう。
※倒れた人が「いびき」のような、あえぐような呼吸をしていたら、それは「死戦期呼吸」といって、典型的な心停止の状況です。

119番とのやりとり例

119「火事ですか、救急ですか?」

通報者「救急です」

119「場所を教えてください」

通報者「住所は○○、名前は○○、電話番号は○○、目印となる建物は◯○です(※1)」

119「どうしましたか?」

通報者「(倒れた人の状況や意識、呼吸の有無などを報告(※2))」

119「正常な呼吸をしていますか? 肩をたたいて呼びかけても反応がなければ、電話の指示どおりに応急処置(心肺蘇生法)を開始してください。近くにAEDがあれば誰かに取ってきてもらってください」

  • ※1逆探知もしてくれるので、電話を切らずに落ち着いて答える。
  • ※2わかる範囲で、できるだけ詳しく伝える。

STEP2 心肺蘇生法をスタート!(意識がない場合)

救急車が到着するまでの間、少しでも早く処置すれば生存率もアップ。

  1. ①仰向けにして真上からまっすぐ体重をかけ、胸の真ん中めがけて心臓マッサージ(胸骨圧迫)を行なう。目安は少なくとも1分間で100回のテンポ。
  2. ②救急車が到着するまで続ける。疲れると効果的な処置ができないので、周囲に人がいる場合は交代してもらう。
  3. ③身近にAED(自動体外式除細動器)があれば、これを用いる。

※成人で突然心停止となった場合には、心臓マッサージ(胸骨圧迫)のみでも、助かるチャンスが高くなるか同等であるということが最近の研究で明らかになった。このため、人工呼吸がうまくできない、あるいは口をつける人工呼吸をしたくないという場合には、むしろ胸骨圧迫のみでよいことになっている。

心肺蘇生法をムービーで見る! リンク先:厚生労働科学研究班J-PULSE」ホームページ心肺蘇生法 ムービー

AEDを使った心肺蘇生法

駅や学校、公共施設などで、最近よく見かけるのが「AED」。これは、「自動体外式除細動器」というもので、電気ショックを与えて心臓の異常な動き(心室細動の場合)を抑え、正常なリズムに戻るようにする装置です。

AED

AEDの使い方
  1. ①設置場所からAEDを取り出して電源を入れる(※1)。電源が入ると、すべての手順が音声で説明される。
  2. ②電極パッドを取り出して、はだけた胸の所定位置(右胸の鎖骨の下と左胸の下、イラストで貼る場所の説明が描かれている)に貼る。
  3. ③自動的に心電図の解析が行なわれ、電気ショックが必要な場合はメッセージが流れる。
  4. ④倒れている人のカラダに誰も触れていないことを確認。
  5. ⑤ショックボタンを押す(※2)。
    この電気ショックが終わったら、すぐに心臓マッサージ(胸骨圧迫)を再開して救急車が到着するまで続ける。
  • ※1 電源は自動的に入る機種、番号「1」と表示されてる機種、電源ボタンマークのある機種の3種類がある。
  • ※2 AEDは2分ごとにショックが必要か自動的に調べるため、電源は切らずにパッドは貼ったままにしておく。

その後の治療は? 完治と再発防止に向けて

救急車が到着すれば、後は救急隊員にお任せします。救急隊員は、脈拍や心電図などを取って患者さんの状況を確認し、それに合わせて酸素吸入や心臓を作動させる薬剤の注射といった様々な応急処置を行ないます。

こうした救急隊員の処置も、病院に到着してからの治療も、時間を争うのは同じ。病院での治療では、発作が起こってから1~2時間以内に血流を再開させる処置を行なえば、心筋の壊死を抑えて救命率が上がる、と言われています。
一命を取り留めた後は、再び血栓が血管に詰まらないよう薬物治療を行ないます。そして様子を見ながら心臓機能の向上や体力回復のためのリハビリテーションを開始。入院から2~3週間(心停止を起こした人はやや長めになります)で退院するのが一般的です。入院後も薬物治療やリハビリテーションを続けるほか、生活習慣を改善して再発を予防します。
その後も定期健診に通い、二度と心臓発作が起こらないよう、そして、元の生活に完全に戻れるよう注意を続けるのは、言うまでもありませんね。

今回は心臓発作が起こった場合の対処方法を紹介しました。世のなかの多くの人は、これらの知識を知らないまま過ごしていると思われます。特に心臓病は、対処のスピードで生存率が大きく変わる病気。ひとりでも多くの人が意識し、知識を持っておくことで、緊急時に助かる命もきっと増えるはずです。働き盛りの方や大切な人を失わないために。

監修

野々木 宏先生

1976年京都大学医学部卒業。スイス・チューリッヒ大学に循環器科臨床研究員として在籍後、1988年国立循環器病研究センター内科心臓部門に勤務。同緊急部長、心臓血管内科主任部長などを歴任し、2004年より、心肺蘇生とAEDの普及啓発活動を目的とした厚生労働科学研究班「J-PULSE」の主任研究者を務める。

J-PULSEは現在第3期に入り、日本の循環器緊急医療の研究として世界的に評価されている。また、専門学会への国際的な心肺蘇生トレーニング方法の導入やガイドライン作成などの多忙を極める日々のなか、時間をいとわず市民への心肺蘇生法の普及活動を行なっている。

2011年9月心臓血管内科・中央管理部門長を退任し、2011年10月より静岡県立総合病院院長代理に就任。1951年徳島県生まれ、阿波踊りの名手。

獨協医科大学 菊地 研先生

菊地 研先生

1966年岩手県生まれ。1992年年岩手医科大学卒業。岩手医科大学第二内科/循環器センターおよび高度救命救急センターでの勤務を経て2005年4月より獨協医科大学心臓・血管内科に勤務。

現在、同准教授。日本循環器学会(JCS)循環器救急医療委員会委員、蘇生教育小委員会委員、JCS関東甲信越支部ACLS/BLSインストラクター。J-PULSE に共同研究者として参加。野々木先生と共に心肺蘇生トレーニング方法の日本での確立に務め、日本の心肺蘇生法ガイドライン作成に参画。素朴な語り口と甘いマスクで多くのファンを持つ。J-PULSEのホームページ編集担当。

J-PULSEホームページ
「心臓マッサージとAEDでつなぐ命の輪」

会員登録・アップグレードは携帯サイトから

会員サービスの比較につきましては
コチラをご覧ください。

Karada Manager Shopping

おすすめ食生活支援特集

沖縄産 もろみ酢 無糖

沖縄産 もろみ酢 無糖

沖縄最古の蔵元「新里酒造」で醸り出されるもろみ酢。糖分、添加物は一切不使用。

ヘルシーワン オメガ3 エゴマ (焙煎)

ヘルシーワン オメガ3
エゴマ (焙煎)

αリノレン酸(オメガ3系)がたっぷり! エゴマの風味がそのまま味わえる「飲むオイル」。

そのほかの紹介グッズはコチラ!

※紹介商品は、予告なく終売となる可能性がありますのでご注意ください。

自分の身を守るために、定期健診を受けよう!

日頃の生活習慣に気を配るのはもちろん、自己管理として忘れてはいけないのが「定期健診」の大切さ。一般的な検診で行なわれる血液検査や尿検査で、心臓病のリスクがどれくらいあるものか、ある程度の予測が立てられます。例えば血管の健康に深く関わる血糖値やコレステロール値、血圧などの数値が高ければ、それだけ動脈硬化の危険も高いということに。もし心臓発作を起こしやすい状態にあったとしても、未然に防ぐ対策を立てられます。

心臓病だけでなく、様々な病気を発見する手掛かりになり、自分の健康状態を把握するのに有効な定期健診。なにか問題があれば迅速な対処に役立ち、なにもなければ安心して日々を送れる。1年に1回の定期健診を、毎年の恒例にしましょう。

  • Vol.1 どんな病気なの?心臓病
  • Vol.2 予防のために知っておきたいこと
  • Vol.3 身の回りで起きた時の対処法

ページトップへ戻る