新年、明けましておめでとうございます。本特集では、今年こそ実現する体質改善をテーマに、インドの伝統医学「アーユルヴェーダ」のメソッドを用いて、特に女性に多い体質のお悩みを改善する方法をお届けしていきます。今回は準備編として、「アーユルヴェーダ」に関しての基礎知識をご紹介します。(文:里見有美/撮影:石引 卓/モデル:窪田多恵子)
「Karada Manager for Women」では、カラダのお悩みに関するワンクリックアンケートを実施しました。結果は右のとおりで、興味深いのが肩こりと冷え症を合わせると、半数以上の回答者が挙げている点。季節的な要因もあり、この時期には特に冷え症に関するお悩みが増えていると予想されます。次回からご紹介する実践編では、アンケートのお悩みも含めた全9項目の改善方法を紹介します。
本特集で取り上げる「アーユルヴェーダ」とは、そもそもどういうものなのか、西川先生にお聞きしました。
「アーユス(生命)とヴェーダ(ヴェーダ)を語源とする「アーユルヴェーダ」は、現存する伝統医学のなかでもっとも古い医学です。約5000年前のインドで生まれたとされ、インドでは現在も全人口の約8割が受けています。急性の場合は西洋医学、痛みの緩和や不調の改善にはアーユルヴェーダというように、使い分けされているのです。
アーユルヴェーダのアプローチは多岐にわたり、マッサージやヨーガ、セルフケアの方法、食事の仕方など、古来より受け継がれてきた、心地良く生きるためのヒント、つまり“生きるための智恵”がつまっている医学、それがアーユルヴェーダなのです」
「アーユルヴェーダでは、自然界のすべてのものを「五元素」と呼ばれる5つのエネルギー、地(ち)、火(ひ)、水(みず)、風(かぜ)、空(くう)に分類しています。このエネルギーは、本来自分が持っているものもありますが、外部の影響によってもその量は増減します。
海に囲まれた日本では「水」と「地」のエネルギーを持った人が多く、本来は落ち着いた性質の人が多い、と言われています。ところが、多くの情報が飛び交う毎日や不規則な生活によって、現代人は「風」のエネルギーの影響を強く受けています。
アーユルヴェーダは引き算の医学とも言われるため、各エネルギーが過剰になるとこのようなアンバランスや不快の症状が起こると考えられます。「風」が増える原因は、動き過ぎ、不規則な生活、身体を冷やす、カロリー不足、シャワーなどで済ますお風呂の習慣、緊張、流行や評判などを気にし過ぎる…など。
各エネルギーの過剰から起こった不快な症状は、以下のようにそのエネルギーの持つ性質と反対のことを取り入れる鎮静療法が大切です。
カラダとココロの声に耳を傾ける「ヨーガ」は、アーユルヴェーダが推奨するアプローチのひとつ。ヨーガと聞くと、柔軟さや難解なポーズを想像しがちですが、一番大切なのは形よりも「気持ちいい」と感じること。無理をせず、カラダとココロをゆったりと緩めましょう。
アーユルヴェーダにおいては、本来自分が持っているエネルギーの傾向はある程度決まっている、と言われています。ところが、実は年齢によって各エネルギーに強弱があるのも事実。特にストレスを受けることで強くなりがちな「火」のエネルギーは、働き盛りである20~40歳代に強くなる傾向にあるとされます。
「火」のエネルギーが強くなり過ぎると、嫉妬心が生まれたり、「頭に血が昇る”と言われるように常に怒りやすくなったりします。そもそも「火」のエネルギーは、情熱や意思の強さという性質を持っているものですから、上手に活かせば非常に良い影響をもたらします。無駄なストレスはほどよく発散させ、上手に「火」のエネルギーバランスを保ちたいものですね。
今回は準備編として、アーユルヴェーダに関する基本的な情報をご紹介しました。次回からは、いよいよ各お悩みを改善するためのアプローチをお届けします。お楽しみに!