アーユルヴェーダ体質改善特集、第2回からは、アーユルヴェーダのメソッドで、具体的な改善方法をご紹介していきます。今回は、偏頭痛、にきび、ドライアイに関するアプローチ。不調が表に出やすい頭部をケアします!(文:里見有美/撮影:石引 卓/モデル:窪田多恵子)
アーユルヴェーダでは、頭痛の原因は多岐にわたると考えます。頭痛には、緊張や不安、冷えによるもののほか、エネルギーバランスの乱れ、ストレスや毒素の蓄積によるものがありますが、偏頭痛は「火」のエネルギーが乱れている証拠。ここでは頭の痛みを緩和する対処療法を紹介します。
人間のカラダには「マルマ」と呼ばれるツボがたくさんあります。特に偏頭痛を軽減させるには、眉間にある「マルマ」を刺激するマッサージが即効性もあり、おすすめです。強くなり過ぎた「火」のエネルギーを弱めるために、火を鎮めるように左回転をする動き取り入れながら刺激すると良いでしょう。
ハーブを使ったスチームで、こわばった皮膚や筋肉を緩めて痛みを緩和します。ハーブはミントのオイルがおすすめです。湯気が立つくらいのお湯を洗面器などの大きめの器に入れ(約100cc)、ミントのエッセンシャルオイルを5~6滴入れます。目をつむり、ゆっくりと鼻で呼吸をするようにします。特にはく息に重点を置くと緊張が緩みやすくなります。
にきびは体内の老廃物や毒素が外に出ようとしているサイン。アーユルヴェーダでは、肌の炎症の大半は毒素の蓄積やエネルギーの乱れ、さらに乾燥も原因のひとつと考えます。また、カラダのなかに「火」のエネルギーが強くなると、にきびができやすいといわれます。ヨーガによる対処療法も効果的ですが、刺激物や塩分、お酒や油分を控えた食事を心がけましょう。
にきびができる時は、「火」のエネルギーが強くなり過ぎている証拠。ここでは、火のエネルギーを沈静化するヨーガのポーズを紹介します。カラダを右にねじると「肝臓」に、左にねじると「胃」にアプローチします。また、しっかりと後ろまでねじると「腎臓」にもほど良い刺激を与えられます。
人間は、寝ている間に汗や呼気からたくさんの水分を失うため、朝は体内の巡りが悪くなりがちです。内臓への負担が少ない白湯を一杯飲むと、老廃物である尿や便が外に出やすくなります。また、朝起きたら「舌」の状態をチェックしましょう。白い苔が溜まっている場合は内臓が汚れているサイン。スプーンのへりを使ってキレイに掃除しましょう。
アーユルヴェーダにおいて、目は「火」の多い場所。パソコンや携帯電話の画面で目を酷使している方、コンタクトレンズで目に負担をかけている方、また、エアコンによる乾燥でドライアイになってしまった方など、目の疲れに悩む方は多いようです。「火」のエネルギーが強くなり過ぎた方には、目をクールダウンさせる運動やケアをすると良いでしょう。
「目の体操」と聞くと不思議な感じがするかもしれません。けれど、日常生活で多くの時間、モニターを見つめている目の筋肉は、思っているよりも凝り固まっている可能性があります。あえて普段しないような目の動きで筋肉をほぐすことは、疲れを取るためにも非常に効果的です。
「火」の力によって起こるドライアイは、ハーブの力で火を沈静化させると良いでしょう。「カモミール」や「カレンデュラ」のほか、「アイブライト」と呼ばれるハーブもおすすめです。ひとつまみのハーブをお湯で淹れてハーブティーとして頂くほか、抽出エキスをパックするコットンケアも効果的です。
人間のカラダはすべて1枚の皮でつながっています。カラダは、ストレスや緊張、疲労が溜まるとこわばってしまうため、意識的にほぐすケアを心がけましょう。両手を使ったナチュラルスチームは、どこでもすぐにできるリラックスケア。
両手を素早くこすり合わせ、温かくなったらすぐに両目に当てます。すると、手のひらから遠赤外線と自然な蒸気が出てくるので、ゆったりとカラダまでほぐれるはずです。
第2回は、実践編として頭部のケアを中心にご紹介しました。次回は、肩こり、腰痛、生理痛に対する改善方法をお届けします。特に肩こりはアンケートでも、もっとも多く挙げられたお悩み。ご期待ください!